星がきらきら

Mais comme elle est loin!/遠き七つの星へ愛を

藤ヶ谷さんについて思うこと

※自分の話の不正確さが露呈するのでタイトルには入れていませんが、9割方櫻井翔の話です。

 

 Q_櫻井翔とは何者か

 

櫻井翔櫻井翔たらしめる要素は、パイオニアであることだと思う。ジュニアの世界に学生生活の優先、という価値観を持ち込んだところ。よく分からない数々のお洒落アイテムを持ち込んだところ。HIPHOPに傾倒し、自ら作詞したラップをアイドルソングに持ち込んだこと。事務所初のニュースキャスターとなったところ。彼は道なき道を進む。

櫻井翔が持つ魅力は、慶應というブランドから繰り出される治安の悪さだと私は思っている。嵐は、パフォーマンス、もっと言えばコンサート無しには成立しないグループだ。コンサートの櫻井翔は、一部のテレビで見せるクリーンさとは真逆の野蛮さを時折見せる。今でこそ国規模の仕事をするようになって多少なりを顰めたものの、コンサートでの対応は「帝王」と呼ばれる塩対応と紙一重だった。育ちの良さそうなベビーフェイスから繰り出される傲慢にも見える櫻井翔の表情と普段のギャップは、少なくとも私の心を鷲掴みにするには十分だった。(櫻井翔のプライベートが出世欲のあるご学友にちゃんと囲まれていることがいわゆる”男性的”な野心だとか上昇志向だとかに繋がっているのではないかと思うので、本来は「ギャップ」と言い難い気もしなくないが…)異常に制服が似合うのも慶應ブランドが為せる業だよ…(T.A.B.O.O.観ながら書いている)

 

わざわざ言うまでもないが櫻井翔にはアニキ会、と呼ばれるものがある。

櫻井翔を慕うジャニーズによって構成される会。中心メンバーは上田竜也、増田貴久、菊池風磨、千賀健永、藤ヶ谷太輔中間淳太の6人。殊にジャニーズと言う特殊な空間では「尊敬する先輩」というのは、必ず、もともと似ているところがあるか、尊敬しているうちにどこかが似ていく。

一人ずつ見ていくと、上田竜也は真面目さから繰り出される治安の悪さだとか。増田貴久は人畜無害そうな顔から繰り出されるパフォーマンスと毒舌だとか。菊池風磨慶應ブランドを継いだまま、治安が悪いパフォーマンスが出来るところとか。千賀健永は育ちの良さと得意分野で繰り出されるパフォーマンスの質とか。中間淳太は恵まれた家庭環境と学歴だとか。(WESTの知識かつてのキスマイの次くらいに薄いのに知ったかぶりして書くのほんと申し訳ない…)

藤ヶ谷太輔は、一見櫻井翔に似ている部分がない、とずっと思っていた。パフォーマンスを観るようになってもあまり似ていない。思い起こさせるのはキムタクでありKAT-TUNだ。

でも、キスマイを知るようになってから、私は藤ヶ谷太輔のことを「めちゃくちゃ櫻井翔だ」と思うようになった。その話をしたいと思う。

 

櫻井翔からその要素を抜いても櫻井翔としてのパフォーマンスは出来る。でもちゃんと根底にあるものに、「優しさ」と「責任」がある。櫻井翔が高貴な生まれであるが故のノブレス・オブ・リージュのとも少し違う場所にある二つ。

私は櫻井翔が桜井翔だったころを知らない。その頃の話なので、全て伝聞になる。

当時の黄金期は、部活のように、誰かが入り、誰かが卒業していくものとしての空気感があったという。嵐は、過半数が別にデビューしたくなかった人で構成されている。三人は、いつか辞めるものとしてJr時代を過ごしていた。でも何の因果か、彼らのデビューは既成事実のように決まってしまった。沢山の本当にデビューしたかったジュニアや、もっと活躍していたジュニアたちを差し置いて。外堀を埋められていく状態で、彼らは何を主張できたのか知らない。たぶん、何も主張出来なかったのだと思う。

その桜井翔は、ファーストコンサートで「全てのジャニーズJr.にありがとう」と言った。この言葉がもたらしたものの説明はネット上に数多ある他の資料に任せる。

 

藤ヶ谷太輔は、たぶんこの「全てのジャニーズJr.にありがとう」と言った櫻井翔の精神をとてもよく、継いでいる。

櫻井翔は、人の言葉を否定しない。誰かが、普通だとこちらが否定したくなってしまうような言葉を口にしたとき、よく「あなたはそう思うのですね」といった言い回しをする。

キスマイは、他者からの評価ありきで成立させる比率が高いという印象がある。必然的に、否定の言葉を受けることも多い。(歳上組全員にも言えるは言えるが)藤ヶ谷太輔はその否定に乗っかる感度が明らかに低い。口角を上げて、見守っている。人を切り捨てないように気を付けているように見える。それから、一人を見つける優しさがある。

櫻井翔は結局、そのデビューから一度も逃げの姿勢を見せなかった。アイドルはたぶん、アイドルであるために犠牲にしたものが多ければ多いほど強い輝きをもつことが出来る。(私はその重圧に耐えきれず、一ファンとしていれなくなることすらある)(まあアイドルしか出来ないみたいな子もそれはそれで異常な輝きを見せてるんですけど…黄金期のデビューかホスト崩れかの二択みたいなひとたちすごいなって思う…)桜井翔は、こんな風に生きるつもりなんて全くなかったと思う。時々彼が見せるかつてあった可能性は、アイドルと同じくらい輝いているように見える。なんにでもなれたはずの彼は、たぶん、デビューできなかった人たちの思いを背負って、ここにいてくれる。彼自身も選んでしまった選択肢に満足できるように、未来を近づけられるように、努力してきた結果なのだろうけれど。

私はまだ、藤ヶ谷太輔がジャニーズを続けるために失ったものの存在のことを知らないが。彼の7人の夢を背負う、という姿勢は、他の人の人生を背負うという姿勢は、櫻井翔をかつて追ってきていた人間として、「同じだ」と思った。これを書くきっかけがそれだった。

 

How’sの時代、ファンは本当にJr.に感謝していたと知っている。全然売れてなくて、キャパも小さめの会場ばかりで、それでも埋まりきってないことも多かった時代。華やかではない現場でデビュー組のファンを自分のファンにする、みたいなこともほとんど期待できないだろう。予算も決して大きくは無かった。その中で一生懸命嵐を盛り上げてくれていたJr.に対して。あるいは桜井翔が並々ならぬ思いを寄せているJr.たちに対して。沢山、ありがとうを伝えようとした景色は容易に想像することが出来る。

 

藤ヶ谷さんが語るHow’sの翔くんのエピソードは、翔くんの持つ優しさと、支えてくれる人たちへの責任を象徴している、と思う。

 

そして先日も。もともと”五人”のお祭りであったアラフェスにJrが出るという情報で荒れる一部のファンの火消しを行う櫻井翔が。*1アラフェスで我々も元々はジャニーズJr.、だとか。どうか彼らをよろしく、という櫻井翔は桜井翔だったころと何一つ変わっていなかった。

 

もし藤ヶ谷太輔の中に櫻井翔の存在がずーっと心の中にあるというなら、それはキスマイというグループにとっての福音なんだろうなと思った話でした。まとまらないね。入所22周年、おめでとうございます。

 

(この理論で言うと風 is Dollをやった菊池風磨も同系統で相当櫻井翔なんだよなという気持ちは今回ちょっと見ないフリをさせていただきました…)

(ついでに言えば横尾さんもすごい二宮和也だなあって思ってる、デビューしたくなかった三人を引き留めた責任の種類は三者三様だと思ってるのですがこの辺の感覚が近そう)

 

ほか。

・1万字の『ただ馴れ合いはホント、イヤなんですよね。(中略)仲がいいにこしたことない。でも、馴れ合いとか、傷のなめ合いとはちがう。夢って語るだけなら意味ない。一歩でも、近づくためのことをしなきゃ意味ないから』言ってる藤ヶ谷太輔、「デビューして長いグループなのに売りは仲良しっていうのはちょっとどうかと思ってる」言ってたらしい櫻井翔と完全一致しててちょっと笑ってしまった。

・あと根拠はあんまりないんですけど、櫻井翔藤ヶ谷太輔、食の好み似てそうだなって思ってる…

 

 

*1:オトノハ参照